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つみき通信

このブログは、つみきの会の代表や、会員の親御さん、セラピスト達からの便りをお届けするものです。ぜひ時々お立ち寄りください。

ABA支援者養成講座2016(東京)

支援者養成講座2016
きょうは今年初めて東京で開催したつみきの会主催ABA支援者養成講座の二日目でした。


昨日の初日は、午前中、エントリー試験を行いました。参加申込者に事前にお送りしたテキストについて、その理解を問うもので、これに合格点を取らないと、午後からの講習に参加できません。

毎回、何人かの不合格者が出るのですが、今年も一人の方が残念ながら合格点に達せず、お帰りになりました。

午後から、残った10人の参加者と講師の私(藤坂)、スタッフのNOTIAセラピスト3名で、熱い講習が始まりました。

一日目午後はABAの基本原理と問題行動の対処法について私がレクチャーしました。5時で昼の部を終えて、みんなで近所のジョナサンにお茶を飲みに行きました。6時から夜の部なのですが、ジョナサンでの話が盛り上がり、私が声をかけないと、そのままジョナサンで終わってしまいそうな勢いでした。

夜も問題行動についての話を続けましたが、途中、いろんな方向に話が脱線したので、最後までしゃべれないうちに8時になってしまいました。

きょうは二日目。朝10時スタートで、午前中はディスクリートトライアルの教え方のポイントについて私が講義しました。写真はその時の様子です。

ただしゃべるだけでなく、スタッフのセラピスト相手に実演しながらの講義だったので、これまた時間が足りなくなってしまいました。

お昼ご飯を挟んで、午後はいよいよつみきの会の会員のお子さん二人に来ていただき、みんなでセラピー体験をしました。動作模倣やマッチング、といったお子さんの得意な初期課題を使って、一人3試行くらいずつ、順番にセラピーして行きました。最初は皆さん、うまく行かなくて私に注意されたりしていましたが、徐々にコツをつかまれて、最後の頃は皆さん、かなり上手になっていました。

5時からは昨日に続きジョナサンで、再び話が盛り上がりました。どうも、講習会とこのお茶会のどっちがメインなのか、わからなくなってきたりします。

この時のお茶会で同席した参加者の一人(女性)から、自分の勤めている放課後デイで、利用者からひどい暴力を受けて悩んでいる、という相談を受けたので、夜は急きょ、そういうときの対処法を話し合うことにしました。

するとうまいことに、参加者の中に合気道をやっておられる男性の方がいたので、その人に女性でもできるような、相手の攻撃をかわす術を教えてもらいました。ABA講習会のはずが、にわか合気道道場に早変わりしてしまいました。
まず私が暴漢になり、その方に殴りかかるのですが、その方の手にかかるとあっという間に私の体が浮くほどで、すごい威力だと思いました。

次にその悩んでいる女性の方にその術を練習してもらったのですが、なかなかうまく行きません。そこでもう少し簡単なパンチかわし術を教えてもらいました。これはパンチを片手でかわしながら、もう片方の手を攻撃者の顔の前に突き出して、視界を遮る、という方法ですが、確かにそうされると、攻撃役の私もとっさにひるむので、いい方法だと思いました。何度か練習して、その方も上手になりました。職場でうまく使えるといいのですが。

そのあとは講義に戻って、ディスクリートトライアル(DTT)に並ぶABAのもう一つの大きな流れ、ナチュラリスティックアプローチについて説明しました。

そうそう、それから昨年度のOBの方に、職場の支援学校でABAを実践した報告をしてもらいました。私の予想以上に効果的なようで(その方の用い方もうまいのだと思います)、私自身、びっくりしてしまいました。明日も報告の続きをしてもらいます。

明日は最終日で、午後は筆記と実技の修了試験があります。あっという間の三日間になりそうです。

藤坂
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7月3日 新潟定例会が開催されました

7月3日(日)に開催された新潟支部定例会について報告します。

今回は、10家族から大人と子ども合わせて21名の参加となりました。
ここのところ参加者が少ない状況が続いていましたが、今回は初参加の方を含め沢山の方にご参加いただきました。

初めに、8組の親子が個別指導をしていただきました。内容は動作模倣、音声模倣、ボール投げや数字の読みなど幅広いものでした。「立ってする動作模倣」で動いてしまう子どもに対しては部屋のコーナー部分等に誘導して行う、「数字の読み」では十の位が苦手な子が多いので丁寧に教える必要がある等のアドバイスをいただきました。

その後は、「就学に向けて知っておくべきこと、やっておくべきこと」のテーマで、藤坂代表から講義をいただきました。藤坂代表や奥様が小学校でシャドーをされていたこともあり、小学校で必要となるスキルについて(長時間その場で待つ等)具体的に教えていただき、とても参考になりました。
また、ベトナムから帰国したばかりとのことで、藤坂代表が現地で講義やセラピーをしている様子も紹介していただきました。ベトナムのお母さんたちがセラピーに取り組む姿は日本とまったく同じで、世界中でお父さんお母さんが頑張っているんだなと、とても勇気づけられました。

また、休憩の時間等を使い、セラピーの進め方や幼稚園選びについて等、参加者された皆さんが様々な情報交換を行っている様子も見られました。

藤坂代表、本当にありがとうございました。また、参加された皆様もお疲れさまでした。
次回は、11月20日(日)に開催予定です。

広島定例会の報告

7月10日(日)に広島定例会が行われましたのでご報告いたします。

15家族(大人27名、子ども9名)、療育関係者4名、にご参加いただきました。

①個別指導(2組)

1組目 マッチング

「つみき」と「おわん」を使ったマッチング。

無意識に物を渡す手が変化していたので(これがヒントになってしまう)、渡す手を統一させること。
間違えたら次は必ずプロンプトして正解させる。
プロンプトなしで出来るまで同じ物でやらせる。

試行最後と思うとセラピスト(親)の「最後は正解して終わりたい!」と希望が態度に出てしまい無意識にヒントを出してしまっていることがあるので、その場の正解を求めるのではなく常に疑いながら確実に正解が分かって本当に理解したと思うこと。

2組目 数(受容)

「1と3」「3と2」はほぼ完璧に受容が出来ています。
「1と2」になると反応が悪くなり、「2」での間違いが増えてくるとのことでした。
弱いところは続けて試行し、間違える数だけ混乱してしまうので出来るだけ間違えさせないように。

また、指示の言葉にコントラストをつけてあげることで、違うことを言っていると認識させてスイッチを変えさせる。(力んでそれが変なヒントとならないように注意すること)というアドバイスのもと代表との試行でお子さんの反応もとても良くなって、泣き顔の中でもちゃんと見て選んでいる姿に拍手がわいていました。

個別指導を受けられた2組の親御さんはそれぞれ使った教材にも工夫をされていらっしゃいました。

1組目のマッチングに使われたつみきは市販のものだとお椀の中に入れてしまうので、お椀に入らない大きさの木をホームセンターで切ってもらい色を塗られて手作りされていました。

2組目の数では、最初小さいつみきを使用されていたそうですが、選ぶ時に手で思いっきりたたいてその痛さにテンションが下がってしまうので、たたいても痛くない柔らかい素材を使って小さいボール状のものをこちらも手作りされていました。

その子に合った教材を見つけてあげるというのも大変な作業ですが、それが本当の理解につながる、後に「ちゃんと分かってる!」に結びつくとしたら大変なこともいつかきっと大きな喜びとなってかえってくる作業だなと感じました。

②般化訓練

6名のお子さんが2グループに分かれて参加しました。

賑やかな中、多くの子どもたちが、頑張って課題に取り組んでいました。

③集団プログラム

・動作模倣(まねっこ)
・手遊び歌(あたま・かた・ひざ・ぽん、ヒゲじいさん)
・トンネルくぐり
・リレー
・お返事

広島でリレーをしたのは初めてだと思うのですが、中々難しいなと感じました。

ボランティアさん1名に床に座ってもらってそこをバトンを持って廻って戻ってくるというものでしたが、代表が最初に見本を見せてくれましたが、バトンを座っているボランティアさんに渡そうとするお子さんや、バトンを投げてしまうお子さん、戻って来てもバトンを渡さない子など、順番にやるので前の子の 姿を見させているつもりでも自分の番になると中々うまくいかない。

今回は小さいお子さんが多かったというのもあると思いますが、幼稚園年長さんや、小学校になったら実際にリレーということもあると思いますのでこんな風に練習したらいいんだなと感じれるプログラムでした。

④講義「サンフランシスコ見学報告」

センターベースとホームベースの2つのエージェンシーを見学されたとのことでした。

センターベースの方は準備試行を含めると10〜30試行の後2〜3分の遊び、また各セラピストが端末を持って簡単に記録している為、記録の為の時間が必要なく遊びの時間も常に介入している。

方やホームベースの方は3〜5試行で小休憩(30秒〜2分の遊び)休憩時は子供の自由セラピストは記録や休憩。

個人的にはセンターベースで行われている事の方がぎっしりと詰まっていて試行数が多い分結果につながるのかなと印象を受けましたが(実際は常に介入と聞いた時点でズボラな私には無理だ!と思ってしまいましたが)、両エージェンシー成果の論文を発表されている中では、ホームベースの方が若干良い結果が数字として表れていました。

代表も
「常に介入すれば良いというものでもないのかも?!」(心の声:ほっ)
「少ない試行もいいのかも?!」(心の声:え!本と?嬉)
と思われた中で担当の方にポイントを伺ったところ
親の積極的関与、すべての人が一貫した関わり方などがあり、これは常日頃藤坂代表がおっしゃられていることだなと感じました。
サンフランシスコも日本で療育している私たちからしたらとても羨ましい現状ですが、ポイントである親の積極的関与はつみきの会の会員の皆さんは親でありセラピストであり、とにかく積極的に子どもたちに関わってきています。
大丈夫。つみきの会でABAを続けていて良かった!と感じられる報告でした。

あれ?カニは?ケ ーブルカーは?サンフランシスコ観光の余談聞くの忘れてましたー(次回にぜひ!)

ベトナム話やNHKあさいち裏話などもとても楽しく聞かせて頂きましたが、そこは各地定例会でぜひ伺ってみてください!

曇り空の広島、猛暑日とまではいかないまでも蒸し暑い中御越しくださった藤坂代表、NOTIAのセラピストさん、ボランティアさん、ありがとうございました。

次回広島定例会は11月27日を予定しております。今は全く想像つかないですが、冬です。
少し時間があきますが次回も沢山の参加をお待ちしております。

ベトナム報告

ベトナムABA講習会2016
6月27日から29日までの三日間、ベトナムに行ってきました。金沢医科大の西条旨子先生のお誘いで、現地のメディカルスタッフと自閉症児の親御さんたちに、ABAのレクチャーをして、何人かのお子さんに対してABAセラピーを行う、という企画でした。

場所はベトナム南部、ホーチミン市(旧サイゴン)の郊外にあるビエンホアという町です。このビエンホアには昔、米軍基地があり、米軍が不要になった枯葉剤を放棄したため、ダイオキシンの土壌汚染が問題になっているそうです。

西条先生は、重金属の人体に与える影響がご専門の方で、現地の研究者と共同でダイオキシンがこの地の住民に与える健康被害を追跡調査されているうちに、母乳中のダイオキシン濃度が高いお子さんに自閉症などの発達障害が多く発生する、ということがわかったそうです。
それで、ただ調査するだけではなく、この子たちに役に立つ療育を提供したいということで、西条先生がインターネット等で調べるうちにABAに行きあたり、そこからつみきの会と私のことを知って、私にお声がかかった、という次第です。

初日の27日は、ビエンホアの属するトンナイ県の保健行政の責任者やビエンホア市とその周辺のいくつかの病院スタッフなど30人ほどを相手に、ABAのレクチャーを行いました(写真はその時のものです。前列中央の白い服の女性が西条先生、その左が私、右はトンナイ県保健省の次長さん?です)。日本語だと通訳が二重になるので、私が英語で話し、それを金沢先生と一緒に現地で調査をされているハノイ防衛医大のタイさんという人が、ベトナム語に通訳して下さいました。慣れない英語で緊張しましたが、実際にはほとんどパワーポイントに事前に英語で書いたものを読み上げるだけでよかったので(多少、アドリブも入れましたが)、思ったより楽でした。

参加者のうち、ビエンホア精神病院から来た女医さん数人は、実際に患者さんの中に自閉症児がいるとのことで関心が高いようで、「独り言にはどう対処したらよいか」など、熱心に質問してくれました。(逆に言うとそれ以外のスタッフの反応は今一つ、という感じでした)

二日目は、現地の自閉症のお子さんを持つ親御さんや、ビエンホアに10あるコミュニティヘルスステーション(保健センターの支部みたいなものでしょうか)のスタッフ、やはり30人ほどを相手に、午前中、やはりABAのレクチャーを行い、午後は希望する何人かの親御さんのお子さんに対して、個別セラピーを実施しました。

午前中のレクチャーは、前日と違って参加者の反応が上々で、こちらも楽しくしゃべることができました。特に問題行動の対処法のところでは、やはりベトナムの親御さんも日々いろんな問題行動に困っておられるようで、うんうん、とうなずきながら、聞いてくださいました。一番ウケたのは、つみきBOOK付属ビデオにもあるタイムアウトの映像で、これを流したときはなぜか、ドッと笑いが上がりました。

ベトナムの親御さんがABAをどの程度理解して下さるか、心配していたのですが、問題行動の説明の後で、「感覚刺激が強化子の場合はどう対処したらいいか」など、鋭い質問が出て、理解力は十分あるとわかりました(ちょっとあなどっていました)。

午後は3才から6才まで、4人のお子さんを相手に、30分ずつセラピーをしました。ベトナムのお子さんも日本の自閉症のお子さんと全く一緒でした。最初はおわんにつみきを入れるいつもの課題から始めたのですが、ちょっと賢い子は、私に反抗して、わざとつみきを高いところから落としてみたり、重めの子は、つみきに目もくれずに強化子のお菓子めがけて突進してきたり(この子は6才で重量級で一番大変でした)、みんな、「ああ、こんな子、日本にもいるなあ」というお子さんばかりでした。

私はベトナム語は全くできないし、英語はお子さんにも親御さんにも通じないので、私のセラピーはことばのいらないマッチングや動作模倣でした。物の名前がわかっているやや程度の軽いお子さんには、私の代わりにタイさんにセラピーをしてもらい、私が隣で、タイさんに英語でやり方を指導しました。親御さんへのアドバイスも、タイさんに通訳してもらいました。

三日目も午前中、さらに4人のお子さん相手にセラピーを行い、それで全日程を終了しました。午後はホテルで休み(というか、翌日締切の原稿があったので、休めず)、夜中の飛行機で日本に帰ってきました。

ベトナムに行ったのは初めてで、どんなところか心配していましたが(枯葉剤、ダイオキシン、というから、米軍が枯葉剤を撒いたジャングルに連れて行かれるのかと思っていました)、ホテルはアメリカのホテルよりよっぽどきれいで、お湯もちゃんと出たし、インターネットもできたし、お母さんたちの来ている服も、日本のお母さんとほとんど変わらない今風な感じで、結構発展している、という印象でした。ただ、街はバイクの洪水で、クラクションが絶え間なく鳴り響き、そんなところが「ああ、ベトナムに来たんだな」という感じがしました。

以上、ベトナム報告です。

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Author:つみき通信
NPO法人つみきの会は自閉症、広汎性発達障害という障害をもった子どもたちに、ABA早期家庭集中療育(ABAホームセラピー)を施す親とそれを支援する療育関係者の集まりです。
ABA療育に関心のある方なら、どなたでも参加頂けます。

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