6/18東京定例会報告
6月18日(日)に東京定例会を開催しました。
会場は、川崎市生涯学習プラザ。
今回の定例会には39家族58名のご参加をいただきました。
始めに自己紹介。東京、神奈川、千葉、埼玉の一都三県から参加があり、初めて参加された方、ABAを始めたばかりの方が多い印象です。
続いて藤坂代表にご指導をいただく「個別指導」
1組目は3歳9か月の男の子。
ジャンケンの教え方について、親御さんはパーとグーは分かっているようだがその他になると分からない、という悩み。
代表のお話では、
パーとグーも本当に分っているか、わからない。
お母さんがパーを強調しているから選んでいる可能性もあるので、まずはどっちも平等に見せること、教材のカードも見やすいものを使い、わかっていないと感じたらすぐプロンプトして正解させること、などのアドバイスがありました。
あくまで間違えたら修正するのではなく、次にプロンプトして正解させることが大切とのことでした。
2組目は4歳9か月の男の子。
もらう、あげるという事の理解を進めたい。自分が主人公であげる、もらうは分かるが主人公が変わると分からなくなる、との相談。
代表のお話では、
主人公を変えるのはとても難しい、まして立場を逆にするのを理解させるのは酷です、とのお話。
まずは自分が主人公であげる、もらう、を徹底的にやる事が大事。
充分に身に付いたら第三者(アンパンマンとバイキンマンなど)でやる、わからない時はプロンプトすること、などのアドバイスがありました。
3組目は4歳5か月の男の子。
音声模倣が課題で、「あ」と「お」しか出せない、との課題。
代表からまずは動作模倣からのご指導があり、その後、無声音になることに注意しながら「う」の形を大事にするように、とのお話がありました。短い時間で「ふ」や「ば」なども出せるようになっていました!
ご指導の中で、「まずは強化子が大事。親が課題をこなすことに集中しないこと!欲張らず早めの強化子でモチベーションを維持しながらセラピーしてください」とのお話が印象的でした。
続いては「般化訓練」
4組×3家族で行いました。
まず、親が自分の子供にセラピーを行い、同じことを別の参加者がその子に行います。
さらに別の参加者が感じたことなどをフィードバックを行います。
子供は全く知らない人からセラピーを受けることで他人からの指示に従えるように、
親にとってもほかの人の子にセラピーをすることでスキルアップが図れます。
今回はモノや動物の絵を使って名前を当てる、色違いのコップやボールを使って識別する、などのセラピーを行いました。
ABAの先輩・後輩で貴重な情報交換の時間になりました。
続いて「集団プログラム」
今回は歌と踊りのあと、四方に分かれたボランティアさんにフルーツのカードを持っていてもらい、そのカードへタッチする遊びと
2チームに分かれて親子リレーを行いました。楽しそうに遊ぶ子供たちの笑顔に癒されました。
最後は藤坂代表からの講義。
今回のテーマは「音声模倣・言葉の引き出し方」
良く話しかけたらよい、とか、読み聞かせをしたらよいと言いますが、これらは「インプットセラピー」でインプットしてアウトプットが返ってくることを期待しているものですがこれではダメ。
反応を増やし、行動を引き出して強化する、これがABAです。
最初は発声すべてを強化します。
話したい、という気持ちと音声模倣が言葉を引き出します。
音声模倣は音声が出てこない時、動作と違ってプロンプトできないので難しい課題です。
音声模倣を始める前に、動作模倣・音声指示がそれぞれ12~20個ぐらいできているとよい。
親もセラピーをするのに慣れ、子供も強化子を取り上げられる事に慣れる必要がある。
そのために動作模倣・音声指示のレパートリーが必要。
まずはよく観察する。出やすい音を一日かけて観察。「あ」「ば」「や」等が出やすい。
「あ」「う」の母音だけでなく、子音が出ている子は発声を引き出しやすい。
短音でなくても連続音が出やすい場合もあるので「ばば」「わんわん」などの繰り返しの言葉もやってみる。
呼んでほしくて「まま」と言わせがちだが「まま」の発音はハードルが高い。
バブバブなど二音出ている子は発声の準備ができている。
「か行」「ら行」は発音が難しい。「か行」が一音でも出たらラッキー!!「ら行」は「ダ行」で代用可
50音表をつくり、できた音は○をしていく。「あいうおえお」順にやらない事。
ABAにノートは不可欠!記録はとても大事なのでその日何ができて何ができなかったかをハッキリさせておくこと。
必ず濁音も入れて。
まずはすべての発声を強化する。
次に大人の発声のあと、5秒以内に発声できたものだけ強化する。
さらの大人の発声と似た発声を強化する、というシェイピングの手法で音を引き出していく。
音の引き出しには半年ぐらいかかることもある。
模倣できる音の確認が出来たらできない音の引き出し。
目線は子供と同じ高さに。大人の口がよく見えるように。
違った音が返ってきても最初は全部強化。
口の形だけまねしたときは強化しない。口形模倣を先にやると発声を促すのが難しくなる。
正しい発声ができない音を深追いしない事。
文字カードを見せながら音声模倣させる方法はあまりおススメしません。
などなど、具体的で実践的な講義内容でした。
今回も3時間密度の濃い時間となりました。
次回は9月3日(日)開催の予定です。
会場は、川崎市生涯学習プラザ。
今回の定例会には39家族58名のご参加をいただきました。
始めに自己紹介。東京、神奈川、千葉、埼玉の一都三県から参加があり、初めて参加された方、ABAを始めたばかりの方が多い印象です。
続いて藤坂代表にご指導をいただく「個別指導」
1組目は3歳9か月の男の子。
ジャンケンの教え方について、親御さんはパーとグーは分かっているようだがその他になると分からない、という悩み。
代表のお話では、
パーとグーも本当に分っているか、わからない。
お母さんがパーを強調しているから選んでいる可能性もあるので、まずはどっちも平等に見せること、教材のカードも見やすいものを使い、わかっていないと感じたらすぐプロンプトして正解させること、などのアドバイスがありました。
あくまで間違えたら修正するのではなく、次にプロンプトして正解させることが大切とのことでした。
2組目は4歳9か月の男の子。
もらう、あげるという事の理解を進めたい。自分が主人公であげる、もらうは分かるが主人公が変わると分からなくなる、との相談。
代表のお話では、
主人公を変えるのはとても難しい、まして立場を逆にするのを理解させるのは酷です、とのお話。
まずは自分が主人公であげる、もらう、を徹底的にやる事が大事。
充分に身に付いたら第三者(アンパンマンとバイキンマンなど)でやる、わからない時はプロンプトすること、などのアドバイスがありました。
3組目は4歳5か月の男の子。
音声模倣が課題で、「あ」と「お」しか出せない、との課題。
代表からまずは動作模倣からのご指導があり、その後、無声音になることに注意しながら「う」の形を大事にするように、とのお話がありました。短い時間で「ふ」や「ば」なども出せるようになっていました!
ご指導の中で、「まずは強化子が大事。親が課題をこなすことに集中しないこと!欲張らず早めの強化子でモチベーションを維持しながらセラピーしてください」とのお話が印象的でした。
続いては「般化訓練」
4組×3家族で行いました。
まず、親が自分の子供にセラピーを行い、同じことを別の参加者がその子に行います。
さらに別の参加者が感じたことなどをフィードバックを行います。
子供は全く知らない人からセラピーを受けることで他人からの指示に従えるように、
親にとってもほかの人の子にセラピーをすることでスキルアップが図れます。
今回はモノや動物の絵を使って名前を当てる、色違いのコップやボールを使って識別する、などのセラピーを行いました。
ABAの先輩・後輩で貴重な情報交換の時間になりました。
続いて「集団プログラム」
今回は歌と踊りのあと、四方に分かれたボランティアさんにフルーツのカードを持っていてもらい、そのカードへタッチする遊びと
2チームに分かれて親子リレーを行いました。楽しそうに遊ぶ子供たちの笑顔に癒されました。
最後は藤坂代表からの講義。
今回のテーマは「音声模倣・言葉の引き出し方」
良く話しかけたらよい、とか、読み聞かせをしたらよいと言いますが、これらは「インプットセラピー」でインプットしてアウトプットが返ってくることを期待しているものですがこれではダメ。
反応を増やし、行動を引き出して強化する、これがABAです。
最初は発声すべてを強化します。
話したい、という気持ちと音声模倣が言葉を引き出します。
音声模倣は音声が出てこない時、動作と違ってプロンプトできないので難しい課題です。
音声模倣を始める前に、動作模倣・音声指示がそれぞれ12~20個ぐらいできているとよい。
親もセラピーをするのに慣れ、子供も強化子を取り上げられる事に慣れる必要がある。
そのために動作模倣・音声指示のレパートリーが必要。
まずはよく観察する。出やすい音を一日かけて観察。「あ」「ば」「や」等が出やすい。
「あ」「う」の母音だけでなく、子音が出ている子は発声を引き出しやすい。
短音でなくても連続音が出やすい場合もあるので「ばば」「わんわん」などの繰り返しの言葉もやってみる。
呼んでほしくて「まま」と言わせがちだが「まま」の発音はハードルが高い。
バブバブなど二音出ている子は発声の準備ができている。
「か行」「ら行」は発音が難しい。「か行」が一音でも出たらラッキー!!「ら行」は「ダ行」で代用可
50音表をつくり、できた音は○をしていく。「あいうおえお」順にやらない事。
ABAにノートは不可欠!記録はとても大事なのでその日何ができて何ができなかったかをハッキリさせておくこと。
必ず濁音も入れて。
まずはすべての発声を強化する。
次に大人の発声のあと、5秒以内に発声できたものだけ強化する。
さらの大人の発声と似た発声を強化する、というシェイピングの手法で音を引き出していく。
音の引き出しには半年ぐらいかかることもある。
模倣できる音の確認が出来たらできない音の引き出し。
目線は子供と同じ高さに。大人の口がよく見えるように。
違った音が返ってきても最初は全部強化。
口の形だけまねしたときは強化しない。口形模倣を先にやると発声を促すのが難しくなる。
正しい発声ができない音を深追いしない事。
文字カードを見せながら音声模倣させる方法はあまりおススメしません。
などなど、具体的で実践的な講義内容でした。
今回も3時間密度の濃い時間となりました。
次回は9月3日(日)開催の予定です。
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福岡定例会を行いました
昨日6/4(日)に福岡定例会が開催されましたのでご報告致します。
今回は12組(大人:14名、子ども:6名、療育関係者2名)にご参加頂き、半数以上はABA歴1年未満と比較的新鮮な会となりました。
以下、詳細です。
【個別指導(3組)】
1組目:音声指示の「立って、座って」が上手く通らない
⇒立った後、座ってしまう前に別の指示をいくつか立て続けに出す
⇒すぐに座らないようにイスを横にずらす
⇒自分で座ってしまう前に「座って」と指示を出す など
2組目:音声指示の「お腹ポンポン」と「頭ポンポン」が混同してしまう
⇒「おつむてんてん」など違う言葉での指示を出す
⇒机で遊んでしまう場合は机を取り払う
⇒音声模倣に関して、発語がない場合は泣き声でも強化 など
3組目:形容詞「たくさん、少し」が上手く通らない
⇒指示内容によって声色を変える
⇒教材に触る癖がある場合は触らせないようにするなど
参加人数の関係上、多少時間に余裕があった為、個別指導の時間をいつもより長めに取って頂きました。
この後行われた【般化訓練】では4組が2グループに分かれてそれぞれ般化を行いました。
【集団プログラム】
・動作模倣:片足上げ、飛行機など
・手遊び歌:ひげじいさん、パンダうさぎこあらなど
・トンネルをくぐって藤坂さんのタンバリンをたたく
・音声指示:「バナナとって来て」など
・お返事して藤坂さんのタンバリンをたたく
タンバリンをたたく場面などは、子どもたちにわかりやすいよう何名かの方に動作の見本をして頂きました。ご協力ありがとうございます。
【講義:『ESDM(アーリースタートデンバーモデル)』】
ABAと発達論的アプローチを融合させ、近年その有効性が示されるようになってきた療育法として、今回も大変興味深い内容でした。
ESDMの基本的な特徴として、
①主に関わり遊びを通じて教える
②遊びの中で集中的に学びの機会を設ける
③罰や消去は用いず強化のみ行う
というものでした。
原理はABAと似ていますが、遊びや食事の中で目合わせやジェスチャーを引き出すことができる方法として私自身日常の中で取り入れてみたいと思いました。
その他、【質疑応答】の時間でも多くの方が熱心に藤坂さんに質問をしている姿が印象的でした。
次回の定例会は10/1(日)となりますので、今回参加された方も参加できなかった方も奮ってご参加頂ければと存じます。
今回は12組(大人:14名、子ども:6名、療育関係者2名)にご参加頂き、半数以上はABA歴1年未満と比較的新鮮な会となりました。
以下、詳細です。
【個別指導(3組)】
1組目:音声指示の「立って、座って」が上手く通らない
⇒立った後、座ってしまう前に別の指示をいくつか立て続けに出す
⇒すぐに座らないようにイスを横にずらす
⇒自分で座ってしまう前に「座って」と指示を出す など
2組目:音声指示の「お腹ポンポン」と「頭ポンポン」が混同してしまう
⇒「おつむてんてん」など違う言葉での指示を出す
⇒机で遊んでしまう場合は机を取り払う
⇒音声模倣に関して、発語がない場合は泣き声でも強化 など
3組目:形容詞「たくさん、少し」が上手く通らない
⇒指示内容によって声色を変える
⇒教材に触る癖がある場合は触らせないようにするなど
参加人数の関係上、多少時間に余裕があった為、個別指導の時間をいつもより長めに取って頂きました。
この後行われた【般化訓練】では4組が2グループに分かれてそれぞれ般化を行いました。
【集団プログラム】
・動作模倣:片足上げ、飛行機など
・手遊び歌:ひげじいさん、パンダうさぎこあらなど
・トンネルをくぐって藤坂さんのタンバリンをたたく
・音声指示:「バナナとって来て」など
・お返事して藤坂さんのタンバリンをたたく
タンバリンをたたく場面などは、子どもたちにわかりやすいよう何名かの方に動作の見本をして頂きました。ご協力ありがとうございます。
【講義:『ESDM(アーリースタートデンバーモデル)』】
ABAと発達論的アプローチを融合させ、近年その有効性が示されるようになってきた療育法として、今回も大変興味深い内容でした。
ESDMの基本的な特徴として、
①主に関わり遊びを通じて教える
②遊びの中で集中的に学びの機会を設ける
③罰や消去は用いず強化のみ行う
というものでした。
原理はABAと似ていますが、遊びや食事の中で目合わせやジェスチャーを引き出すことができる方法として私自身日常の中で取り入れてみたいと思いました。
その他、【質疑応答】の時間でも多くの方が熱心に藤坂さんに質問をしている姿が印象的でした。
次回の定例会は10/1(日)となりますので、今回参加された方も参加できなかった方も奮ってご参加頂ければと存じます。