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つみき通信

このブログは、つみきの会の代表や、会員の親御さん、セラピスト達からの便りをお届けするものです。ぜひ時々お立ち寄りください。

卒業メッセージ(たんぽぽ)

昨年、卒業メッセージを寄せて下さったたんぽぽさんが、今度は本当に退会されることになりましたので、改めて寄稿をお願いしたところ、快く引き受けてくださいました。以下、たんぽぽさんからのメッセージです。

***

入会当時、幼稚園児だった娘も、4月から小学3年生になります。
藤坂会長やNOTIAのセラピストの皆様に助けていただいたおかげで、娘は今も元気に普通級で過ごしております。
週に1回通級に通っていますが、学力的には年齢相応、大きな問題はほとんど起こさず、何より本人が楽しく学校に通えています。
入会当時は、とてもここまで平和な学校生活が送れるような子に育ってくれるとは思えませんでした。

3歳頃の娘は、大きな癇癪やエコラリア、こだわり行動に睡眠障害と、自閉症スペクトラムのいろいろな特性を示していました。
娘の将来が見えず、毎日真っ暗な気持ちで泣き暮らしていました。
あのまま、早期療育という言葉やつみきの会に出会わなければ、どうなっていたことかと思います。
セラピストさんには、幸運なことに週2回来ていただけました。
親である私も「せめて小学校入学前までは出来ることは全てやろう。やらなくて後悔するよりは、やるだけやってから後悔しよう」と、覚悟を決めました。

しかし、並行して幼稚園や児童発達支援の教室にも通っていましたが、送迎が私には結構な負担となっていました。
道を歩く途中で、娘は突然癇癪を起こし、地面に倒れ伏し泣きわめきます。
落ち着くまで30分近くかかるのはよくあることでした。
心配したお店の方や駅員さんに声をかけられ、いたたまれない思いもしました。
そんな日は、冷静にセラピーをする気力が湧かず、娘も疲れていてコンディションが悪く、なかなか思うようにセラピーを進めることができませんでした。

そんな私の心の支えが、自宅に訪問してくださるNOTIAのセラピストさんでした。
どんな天気の日にも変わらぬ笑顔で来て、真剣に娘のために戦って下さいました。
メリハリがあるのに、にこやかに楽しく、娘にわかりやすいセラピーを、辛抱強く続けて下さいました。
私も、つみきBOOKをしっかり読んでセラピーをしているつもりなのですが、我が子のことだけに、どうしても感情的に抑えられなくなって、スパルタ教師のような指導をしそうになってしまったりしていました。
でも、セラピーというのはそうではないのだ、ということが、実際のセラピストさんのセラピーを見て理解することができました。
プロの子供への対応を目の前で見る、というのは、とてもありがたい体験でした。
今でも、娘に接するときの対応は、この時の経験が大切な基礎となっています。
今まさに小さいお子さんのセラピーに挑戦している皆さまには、是非、定例会などで実際の指導に触れる機会を持っていただきたいなと思います。

小学校入学前には、ひらがな・数字の読み書き、初歩の計算までギリギリたどり着きました。
学校仕様の机や椅子、引き出しなどを事前に買って、家庭でも使ってみました。
ミニ黒板を買って、板書の練習もしてみました。
入学前に学校に訪問し、下駄箱の位置や教室を見せていただきました。
担任の先生宛てに、我が子の取扱説明書のようなものを書いてお渡ししました。
知らないことに対して不安の強い娘のために、色々事前に準備をしたのですが、会話力やコミュニケーションがおぼつかないため、心配ばかりの小学校入学でした。

入学後、学校側の配慮もあり、娘の生活は予想よりも順調に進みました。
求めた主な配慮は、席を一番前にすることと、小まめな声かけです。
娘の学校は、低学年のうちは登下校を集団でするのですが、不注意のある娘を小学生だけの集団に任せるのは危険と思えました。
なので、登下校に親が1年間付き添いを続けました。
2年生になってからは、下校時のみ家の近くまで迎えに行っています。
安全のためにというよりは、今は、下校時の様子で子供達の人間関係を見守るためです。
会話やコミュニケーションに難がある娘ですが、今のところいじめの兆候はなく、すごく親しい友達はいませんが、それなりに学校では遊んでくれるお友達がいるようです。

勉強は、チャレンジタッチやくもんで学校のことを補っています。
くもんにも特性をお話しして、課題の枚数は通常の半分でお願いしています。
漢字が一時期苦手でしたが、書き順を唱えて覚える学習法に変えてから、よくなって来ました。
指先の不器用さから、定規で線が綺麗に引けませんでしたが、今ではピタットルーラーという、滑り止め付きの定規を使って解決しています。
普通級でほぼ問題なく過ごしている娘ですが、体育はずば抜けて苦手なため、この部分は通級で補っていただいています。
その甲斐あって、跳び箱も何とか最低ラインはとべるようになりました。
学力は年齢並みですが、普段の様子を見ていると、娘の精神年齢というかコミュニケーション能力は、幼稚園児並みだと感じます。
けれど、素直で明るい性格な子に成長しました。
親子でふざけて笑い合ったり、1人の時間は一生懸命絵を描いたり工作をして楽しんでいる娘を、3歳の頃には想像できませんでした。

まだまだ娘の人生では、色々困ることが起きてくると思いますが、教えていただいたことを心の支えにして親子でがんばっていくつもりです。
藤坂会長やNOTIAの皆様の励ましや指導がなければ、ここまでたどり着くことはとてもできなかと思っております。
大変感謝しております。
どうもありがとうございました。
これからも、つみきの会の益々のご発展と皆様のご健勝をお祈りいたしております。
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3/4 新潟定例会のご報告

3月4日(日)に新潟定例会が開催されましたので、ご報告します。
今回は7組、大人と子ども合わせて17人の方に参加していただきました。

【個別指導】
1組目 声の大小
←(指示を大きい声で出すと驚く場合)リラックスさせながら優しい声で導いてあげると良い

2組目 縄跳び
←(腕の回し方が大振りになる)動作模倣で腕の回し方を真似させる、脇に何かをはさみながら縄を回す等、色々試すと良い

3組目 大きい・小さいの弁別
←子供が飽きてそうな時は1回1回必ず強化をする。

4組目 これ・あれ・それ
←「それ」が難しいのでしっかりプロンプトする。上手になったら、それぞれの位置を入れ替えて行う。

5組目 口形模倣
←指示の言葉はなるべく少なくする。

6組目 数字を書く
←2や3の練習にあたって、まずは曲線を描く練習をする。

【集団プログラム】
動作模倣、手遊び歌、藤坂代表の視線の方向に注目し絵にタッチする、トンネルくぐり等を行いました。

【講義「たし算とひき算」】
2人のお子さんにデモをしてもらい、大変具体的に教え方を学ぶことができました。
・将来文章題に取り組むことを考えて、式を教える前に、まずはことばで簡単な文章題を出して数を加えたり、除いたりすることに慣れさせると良い。
・指を使ってたし算、引き算をする場合、6以上の数はグーで表す。
・引き算もできるようになったら、足し算と引き算の弁別を行う。

次回は7月1日(日)の予定です。
沢山の方のご参加をお待ちしております。

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NPO法人つみきの会は自閉症、広汎性発達障害という障害をもった子どもたちに、ABA早期家庭集中療育(ABAホームセラピー)を施す親とそれを支援する療育関係者の集まりです。
ABA療育に関心のある方なら、どなたでも参加頂けます。

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