卒業メッセージ(kaede)1
代表の藤坂です。先日から、早期療育が一段落した先輩会員さんからの「卒業メッセージ」を掲載しています。この度はkaedeさんから、長文の体験談をいただきました。何回かに分けて掲載させていただきます。kaedeさん、ありがとうございました。
☆☆☆
長男ハルと次男ユキオはとても仲の良い兄弟です。ユキオはハルを尊敬し、ケンカしつつも、いつも仲良く遊んでいます。今度就学を迎えるユキオは興味の対象も広く、ハルが小学校で覚えてきた遊びを、喜んで一緒にやります。私は母親として、このように仲良く二人が遊んでいることを眺めることにとても幸せを感じます。
しかし、二人は初めからこのように遊べたわけではありませんでした。
私が次男ユキオに違和感を覚えたのは、ユキオが1歳半の頃だったと思います。長男ハルに比べて言葉が遅いな、と感じました。なかなか夜眠らないので、お昼寝の時間が長過ぎるのかな、とも思っていました。機嫌が悪くなると、床に頭をぶつけることもハルにはなかったことでした。運動会の会場で泣いて癇癪をおこしたこともありました。長男よりもよく泣く、気の強い子供だと思っていました。
しかし、少ないなりに言葉がでていたため、あまり深刻に考えていませんでした。早くから保育園に入っていて、特に問題行動を指摘されなかった事も、安心材料にしていたかもしれません。プロの先生に指摘されないから大丈夫だと、自分に言い聞かせていました。にこにこと可愛い笑顔を見せる、普段はおとなしいこの子に、何か障害があるとは考えたくありませんでした。
ユキオが2歳になって、単語は増えたけれど、いつまでも、ママともお母さんとも私を呼ばないことに違和感と哀しさを覚えるようになりました。ハルとのかかわりも少なく、一人っ子を二人育てているような徒労感に襲われていました。ハルにはなかった、おうむ返しが頻繁になってきたのもこの頃です。きちんと診断を受けることに恐怖心もあり、3歳児検診までそのまま様子をみることにしました。夜な夜なネットで言葉が遅いことについて調べては、不安に押しつぶされそうになっていました。
この頃、つみきの会のホームページを見つけましたが、3歳児健診で何か指摘されてから入会しようと、入会を先送りにしました。(この時にすぐ入会すれば良かったと、その後とても後悔しました。)自閉症ではないかもしれない、とわずかな希望にしがみついていたように思います。今、考えると、この時期が一番辛かったかもしれません。
3歳児健診を受ける直前に保育園の先生から呼び出しがありました。ユキオの言葉が少なく、友達とのかかわりが薄く、指示が通りにくい時がある、健診で何か指摘があるかもしれないとの事でした。今までの連絡帳には楽しく遊んでいる様子しか書いていなかったので、驚くと同時に、やはり保育園でもついていけてなかったのか、とうとうユキオの障害と向き合わないといけない時がきたと、号泣したことを覚えています。
3歳児健診では、簡単な検査にも答えられませんでした。直前に「何歳?」「お名前は?」などを教え込もうとしましたが、オウム返しばかりで、どのように教えて良いかわからなく、途方にくれました。(後につみきブックをみて、教え方がわかりました。)当日もオウム返しばかりでした。ぎりぎり2語文を話すが、全体的に言葉が遅く、不安があると小児科の先生にお話しました。相談室に案内されて、今までの生育歴を話すうちに、また、涙が止まらなくなりました。
そこで、いくつかの療育施設や診断を希望する場合は県の療育センターを受診するよう教えてもらいました。当日、家に帰ってから、通える範囲の療育施設すべてに電話しましたが、どこも定員に達していました。通えるのは3か月から半年待ち、と言われて絶望しました。県の療育センターの初診は半年待ちでした。(どこの自治体も待ちが長いと聞いています。後からキャンセルできる自治体が多いと思いますので、受診を迷っていたら早めに予約をとっておくことも一つの方法だと思います。)
保健所で障害の可能性を指摘されたら、自動的に療育施設に紹介され、母子ともにケアされるものだと考えていたことが、勘違いであったと痛感しました。自分がどうにか道を開かないと、ユキオにも私たち家族にも未来がない、と感じました。どうして、早期療育が有効だと情報を得ていたのに、悠長に3歳児健診まで様子をみていたのかと、自分を腹立たしく思いました。その夜、ブックマークしていたつみきの会のホームページを開き、入会の手続きをしました。
私がはじめ、つみきの会の入会をためらっていたのは、つみきの会が障害で悲しむ家族につけこむ悪徳商法や宗教の勧誘だったらどうしよう、と考えたためです。しかし、ネットでいろいろ評判を調べると、つみきの会に対する悪い評判はABAがハードでついていけなかったというものはありましたが、悪徳商法や宗教の勧誘を疑わせる書き込みは皆無でした。
ホームページに書いてある先輩方の体験記や手記も繰り返し読みました。いろいろ調べて、つみきの会では良心的な会費で、ABAについて教えていただけるとわかりました。田舎に住んでいて、ABAセラピストを頼むことが難しい私たちにとって、つみきの会への入会が一番現実的なABAを始める方法だと思いました。しっかりとした科学的根拠があること、代表の藤坂さんが同じ自閉症児の親であるということも安心できる材料でした。
後日、DVDとつみきブックが送られてきました。それまでも、長男ハルが使っていたひらがなカードなどで、物の名前を教えていましたが、自分に足りなかったことがいろいろわかりました。スモールステップで教える手技やプロンプト(ヒント)のこつ、強化子(ごほうび)の重要性など、考えたこともなかったことがいろいろのっていました。
今までも、自閉症についての本を何冊か読んでいましたが(私がそれまで読んでいたものは障害の受容を求めるものばかりでした)、このように系統だって、すべての成長過程で習得すべきことを一つ一つ具体的に記している本は他にはありませんでした。
つみきブックを読んで、お会いしたことはありませんでしたが、藤坂さんが誠実に真摯に、ABAに向き合っていることが、とても良く理解できました。いつかお会いして、直接お話をききたいと、思うようになりました。そして、つみきブックにのっている課題を一つ一つやっていくことで、子供も私たち家族も生活しやすくなるだろうと、一つの明るい道が見えた気がしました。
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長男ハルと次男ユキオはとても仲の良い兄弟です。ユキオはハルを尊敬し、ケンカしつつも、いつも仲良く遊んでいます。今度就学を迎えるユキオは興味の対象も広く、ハルが小学校で覚えてきた遊びを、喜んで一緒にやります。私は母親として、このように仲良く二人が遊んでいることを眺めることにとても幸せを感じます。
しかし、二人は初めからこのように遊べたわけではありませんでした。
私が次男ユキオに違和感を覚えたのは、ユキオが1歳半の頃だったと思います。長男ハルに比べて言葉が遅いな、と感じました。なかなか夜眠らないので、お昼寝の時間が長過ぎるのかな、とも思っていました。機嫌が悪くなると、床に頭をぶつけることもハルにはなかったことでした。運動会の会場で泣いて癇癪をおこしたこともありました。長男よりもよく泣く、気の強い子供だと思っていました。
しかし、少ないなりに言葉がでていたため、あまり深刻に考えていませんでした。早くから保育園に入っていて、特に問題行動を指摘されなかった事も、安心材料にしていたかもしれません。プロの先生に指摘されないから大丈夫だと、自分に言い聞かせていました。にこにこと可愛い笑顔を見せる、普段はおとなしいこの子に、何か障害があるとは考えたくありませんでした。
ユキオが2歳になって、単語は増えたけれど、いつまでも、ママともお母さんとも私を呼ばないことに違和感と哀しさを覚えるようになりました。ハルとのかかわりも少なく、一人っ子を二人育てているような徒労感に襲われていました。ハルにはなかった、おうむ返しが頻繁になってきたのもこの頃です。きちんと診断を受けることに恐怖心もあり、3歳児検診までそのまま様子をみることにしました。夜な夜なネットで言葉が遅いことについて調べては、不安に押しつぶされそうになっていました。
この頃、つみきの会のホームページを見つけましたが、3歳児健診で何か指摘されてから入会しようと、入会を先送りにしました。(この時にすぐ入会すれば良かったと、その後とても後悔しました。)自閉症ではないかもしれない、とわずかな希望にしがみついていたように思います。今、考えると、この時期が一番辛かったかもしれません。
3歳児健診を受ける直前に保育園の先生から呼び出しがありました。ユキオの言葉が少なく、友達とのかかわりが薄く、指示が通りにくい時がある、健診で何か指摘があるかもしれないとの事でした。今までの連絡帳には楽しく遊んでいる様子しか書いていなかったので、驚くと同時に、やはり保育園でもついていけてなかったのか、とうとうユキオの障害と向き合わないといけない時がきたと、号泣したことを覚えています。
3歳児健診では、簡単な検査にも答えられませんでした。直前に「何歳?」「お名前は?」などを教え込もうとしましたが、オウム返しばかりで、どのように教えて良いかわからなく、途方にくれました。(後につみきブックをみて、教え方がわかりました。)当日もオウム返しばかりでした。ぎりぎり2語文を話すが、全体的に言葉が遅く、不安があると小児科の先生にお話しました。相談室に案内されて、今までの生育歴を話すうちに、また、涙が止まらなくなりました。
そこで、いくつかの療育施設や診断を希望する場合は県の療育センターを受診するよう教えてもらいました。当日、家に帰ってから、通える範囲の療育施設すべてに電話しましたが、どこも定員に達していました。通えるのは3か月から半年待ち、と言われて絶望しました。県の療育センターの初診は半年待ちでした。(どこの自治体も待ちが長いと聞いています。後からキャンセルできる自治体が多いと思いますので、受診を迷っていたら早めに予約をとっておくことも一つの方法だと思います。)
保健所で障害の可能性を指摘されたら、自動的に療育施設に紹介され、母子ともにケアされるものだと考えていたことが、勘違いであったと痛感しました。自分がどうにか道を開かないと、ユキオにも私たち家族にも未来がない、と感じました。どうして、早期療育が有効だと情報を得ていたのに、悠長に3歳児健診まで様子をみていたのかと、自分を腹立たしく思いました。その夜、ブックマークしていたつみきの会のホームページを開き、入会の手続きをしました。
私がはじめ、つみきの会の入会をためらっていたのは、つみきの会が障害で悲しむ家族につけこむ悪徳商法や宗教の勧誘だったらどうしよう、と考えたためです。しかし、ネットでいろいろ評判を調べると、つみきの会に対する悪い評判はABAがハードでついていけなかったというものはありましたが、悪徳商法や宗教の勧誘を疑わせる書き込みは皆無でした。
ホームページに書いてある先輩方の体験記や手記も繰り返し読みました。いろいろ調べて、つみきの会では良心的な会費で、ABAについて教えていただけるとわかりました。田舎に住んでいて、ABAセラピストを頼むことが難しい私たちにとって、つみきの会への入会が一番現実的なABAを始める方法だと思いました。しっかりとした科学的根拠があること、代表の藤坂さんが同じ自閉症児の親であるということも安心できる材料でした。
後日、DVDとつみきブックが送られてきました。それまでも、長男ハルが使っていたひらがなカードなどで、物の名前を教えていましたが、自分に足りなかったことがいろいろわかりました。スモールステップで教える手技やプロンプト(ヒント)のこつ、強化子(ごほうび)の重要性など、考えたこともなかったことがいろいろのっていました。
今までも、自閉症についての本を何冊か読んでいましたが(私がそれまで読んでいたものは障害の受容を求めるものばかりでした)、このように系統だって、すべての成長過程で習得すべきことを一つ一つ具体的に記している本は他にはありませんでした。
つみきブックを読んで、お会いしたことはありませんでしたが、藤坂さんが誠実に真摯に、ABAに向き合っていることが、とても良く理解できました。いつかお会いして、直接お話をききたいと、思うようになりました。そして、つみきブックにのっている課題を一つ一つやっていくことで、子供も私たち家族も生活しやすくなるだろうと、一つの明るい道が見えた気がしました。
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