つみき通信

このブログは、つみきの会の各支部リーダーを始め、理事、事務局スタッフなど、つみきの会の活動を支えるスタッフたちからのお便りをお届けするものです。ぜひ、時々お立ち寄りください。

ベトナム報告

ベトナムABA講習会2016
6月27日から29日までの三日間、ベトナムに行ってきました。金沢医科大の西条旨子先生のお誘いで、現地のメディカルスタッフと自閉症児の親御さんたちに、ABAのレクチャーをして、何人かのお子さんに対してABAセラピーを行う、という企画でした。

場所はベトナム南部、ホーチミン市(旧サイゴン)の郊外にあるビエンホアという町です。このビエンホアには昔、米軍基地があり、米軍が不要になった枯葉剤を放棄したため、ダイオキシンの土壌汚染が問題になっているそうです。

西条先生は、重金属の人体に与える影響がご専門の方で、現地の研究者と共同でダイオキシンがこの地の住民に与える健康被害を追跡調査されているうちに、母乳中のダイオキシン濃度が高いお子さんに自閉症などの発達障害が多く発生する、ということがわかったそうです。
それで、ただ調査するだけではなく、この子たちに役に立つ療育を提供したいということで、西条先生がインターネット等で調べるうちにABAに行きあたり、そこからつみきの会と私のことを知って、私にお声がかかった、という次第です。

初日の27日は、ビエンホアの属するトンナイ県の保健行政の責任者やビエンホア市とその周辺のいくつかの病院スタッフなど30人ほどを相手に、ABAのレクチャーを行いました(写真はその時のものです。前列中央の白い服の女性が西条先生、その左が私、右はトンナイ県保健省の次長さん?です)。日本語だと通訳が二重になるので、私が英語で話し、それを金沢先生と一緒に現地で調査をされているハノイ防衛医大のタイさんという人が、ベトナム語に通訳して下さいました。慣れない英語で緊張しましたが、実際にはほとんどパワーポイントに事前に英語で書いたものを読み上げるだけでよかったので(多少、アドリブも入れましたが)、思ったより楽でした。

参加者のうち、ビエンホア精神病院から来た女医さん数人は、実際に患者さんの中に自閉症児がいるとのことで関心が高いようで、「独り言にはどう対処したらよいか」など、熱心に質問してくれました。(逆に言うとそれ以外のスタッフの反応は今一つ、という感じでした)

二日目は、現地の自閉症のお子さんを持つ親御さんや、ビエンホアに10あるコミュニティヘルスステーション(保健センターの支部みたいなものでしょうか)のスタッフ、やはり30人ほどを相手に、午前中、やはりABAのレクチャーを行い、午後は希望する何人かの親御さんのお子さんに対して、個別セラピーを実施しました。

午前中のレクチャーは、前日と違って参加者の反応が上々で、こちらも楽しくしゃべることができました。特に問題行動の対処法のところでは、やはりベトナムの親御さんも日々いろんな問題行動に困っておられるようで、うんうん、とうなずきながら、聞いてくださいました。一番ウケたのは、つみきBOOK付属ビデオにもあるタイムアウトの映像で、これを流したときはなぜか、ドッと笑いが上がりました。

ベトナムの親御さんがABAをどの程度理解して下さるか、心配していたのですが、問題行動の説明の後で、「感覚刺激が強化子の場合はどう対処したらいいか」など、鋭い質問が出て、理解力は十分あるとわかりました(ちょっとあなどっていました)。

午後は3才から6才まで、4人のお子さんを相手に、30分ずつセラピーをしました。ベトナムのお子さんも日本の自閉症のお子さんと全く一緒でした。最初はおわんにつみきを入れるいつもの課題から始めたのですが、ちょっと賢い子は、私に反抗して、わざとつみきを高いところから落としてみたり、重めの子は、つみきに目もくれずに強化子のお菓子めがけて突進してきたり(この子は6才で重量級で一番大変でした)、みんな、「ああ、こんな子、日本にもいるなあ」というお子さんばかりでした。

私はベトナム語は全くできないし、英語はお子さんにも親御さんにも通じないので、私のセラピーはことばのいらないマッチングや動作模倣でした。物の名前がわかっているやや程度の軽いお子さんには、私の代わりにタイさんにセラピーをしてもらい、私が隣で、タイさんに英語でやり方を指導しました。親御さんへのアドバイスも、タイさんに通訳してもらいました。

三日目も午前中、さらに4人のお子さん相手にセラピーを行い、それで全日程を終了しました。午後はホテルで休み(というか、翌日締切の原稿があったので、休めず)、夜中の飛行機で日本に帰ってきました。

ベトナムに行ったのは初めてで、どんなところか心配していましたが(枯葉剤、ダイオキシン、というから、米軍が枯葉剤を撒いたジャングルに連れて行かれるのかと思っていました)、ホテルはアメリカのホテルよりよっぽどきれいで、お湯もちゃんと出たし、インターネットもできたし、お母さんたちの来ている服も、日本のお母さんとほとんど変わらない今風な感じで、結構発展している、という印象でした。ただ、街はバイクの洪水で、クラクションが絶え間なく鳴り響き、そんなところが「ああ、ベトナムに来たんだな」という感じがしました。

以上、ベトナム報告です。
スポンサーサイト

≪ 広島定例会の報告ホーム2016年6月5日 東京定例会のご報告 ≫

Comment

コメントの投稿

 
管理人にのみ表示する
 

Track Back

TB URL

Home

プロフィール

つみき通信

Author:つみき通信
NPO法人つみきの会は自閉症、広汎性発達障害という障害をもった子どもたちに、ABA早期家庭集中療育(ABAホームセラピー)を施す親とそれを支援する療育関係者の集まりです。
ABA療育に関心のある方なら、どなたでも参加頂けます。

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

カテゴリ

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

ブロとも申請フォーム

QRコード

QR