つみき通信

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卒業メッセージ(Mのママさん)

先日のaoさんに引き続き、「Mのママ」さんからも「卒業メッセージ」をいただきましたので、紹介します。

藤坂

***

私は、自閉症の6歳の女の子、Mを育てています。
つみきの会でのABAセラピーを始めたのはMが2歳8カ月の頃で、セラピー歴は3年半以上になります。
そんなMも、とうとう4月から小学生になります。

Mの場合、『劇的な変化』とは行きませんでしたが、それなりに成長してくれましたので、つみきの会への感謝と、入会を迷っておられる親御さんにメッセージを贈らせて下さい。

Mは、1歳半検診では異常を指摘されませんでした。
しかし、その後(1歳後半から)酷い人見知り、場所見知りをするようになり、また言葉も増えず、ネットで検索すると自閉症の症状に似ていると思い、すぐに市の福祉センターへ相談に行きました。

しかし、対応してくれた保健師さんは、『もし自閉症なら、こんなに人の目をじっと見て怯えたりしない』『お母さんの心配しすぎです』などと、まるで相手にしてくれませんでした。

夫や、同居している夫の両親に相談しても、『言葉が増えないのはテレビの見せすぎ』 『場所見知り、人見知りが酷いのは、ずっと家にいるからだ』などと、育て方が原因だと責められました。

しかし出かけたくても場所見知りが酷く、どこへ行ってもパニックで手がつけられないし、自宅でも、やり取りする遊びをしようにも、テレビに執着して私の呼びかけにも全く応じないし、本当にもう、どうしようもなかったのです。

それを誰にもわかってもらえなかった、あの時期が一番つらかったです。

唯一、実家の母はMの状態を異常だと気が付いてくれましたが、自閉症であろうと病院へ行けば治ると思っていたようで、私の抱える悩みの深刻さには気が付かず、度重なる無神経な発言や振る舞いに、距離を置かざるを得ない状態でした。

結局、私は一人でこの問題に立ち向かわなければならなかったのでした。

しかし幸いな事に、インターネットで検索すると色々な情報が得られる時代です。『早期療育』『TEACCH』『ABA』などの自閉症の療育の存在を知り、つみきの会に辿り着きました。

つみきの会への入会やセラピストの派遣については、理解のない夫と両親には事後報告でした。
どうせ説明しても、ABAの理論すら理解できない(する気もない)だろうし、ここでの摩擦が私の最大のストレスになるのは分かり切ったことでした。
今は、そんな事にエネルギーを使うのではなく、Mのために時間もエネルギーも使いたい。
また、それは出来る限り早い時期の方が良い、との一心でした。

私は専業主婦で、夫の決して多くない収入だけでセラピスト派遣を希望するのは金銭面で躊躇しましたが、週1回の派遣であれば何とか家計のヤリクリができると思い、また逆に専業主婦であるからこそ、私がMに付きっきりでセラピーが出来るメリットもあると思い、決断しました。

しかし思い返せば、初めの頃のMは酷いものでした。
SVの先生にコンサルティングに来て貰いましたが、2時間ずっと椅子に座る事を拒み続けて泣きどおしでした。

先生は「Mちゃんはなかなか強情なタイプですね。お母さんはこれに負けてはいけません。まずはこちらの指示に従う事が目標です。」と言って、泣き叫び暴れるMを後ろから抱き込み、「入れて」と差し出したお椀に積み木を入れさせる課題を教えてくれました。

その日から私とMの戦いが始まりました。

その後、3日間はお椀に積み木を入れる課題を続け、4日目にようやく「座って」の指示に従う事が出来るようになりました。
連日のMの癇癪に、近所から苦情が来ないか?虐待の疑いで警察に通報されたらどうしよう、とヒヤヒヤしましたが、今では、自分から『勉強する』と言って、自ら机に座り、公文教室の宿題プリントを自主勉強をするまでになっています。

そんなMの成長ぶりを目の当たりにして、今では夫も両親も理解を示し、協力もしてくれるようになりました。

ただ知的な面では、凸凹はあるもののそれなりの成長を見せましたが、自閉性が高く、対人面での困難さ、聴覚過敏なども酷く、集団に入るのは難しいものがあります。また言語性も著しく低く、未だに2語文程度の発語しかなく、会話は成立しません。自己刺激も多く、見るからに『自閉症』です。

その生活面での困難さから、夏休みの就学相談では、そもそも支援学校就学対象外(S県では支援学校就学基準とされるIQ、DQが存在するらしく、Mはその基準をはるかに上回っていた)にも関わらず、相談員に支援学校を勧められてしまうトラブルがありました。
その就学相談で支援学校を勧められた事を受け、支援学校を希望したのに就学をみとめられませんでした。

しかし、その事を逆手にとり、『それならば、地域の小学校で支援学校と同レベルの支援を受けさせる義務がある』と、教育委員会に主張した所、「同レベルまでは難しいが、出来る限りの努力はする」との回答を頂き、支援員を付けて頂ける事になりました。

そんな紆余曲折の末、地域の小学校の支援クラスに入級が決まり、既に何度か学校に支援の相談に伺っていますが、理解のある先生方ばかりで、有り難い限りです。(理解があるのは、教育委員会を通しているからかも知れませんが。)

この数年で私がMから教わった事は、努力するチャンスはみんな平等に持っている、という事です。

努力しても必ずしも報われるとは限りませんが、努力しないと何も始まらない。
生まれながらのハンデはどうにもなりませんが、努力する事、努力するチャンスはみんな平等に持っていると思います。
そのチャンスを生かすか生かさないかは、自分次第です。

私はMが生まれるまで、五体満足に生まれた自分に胡座をかき、その事にすら気が付けなかった…。

私たちの場合、『チャンス』とはABAの事ではないでしょうか?
10年前、20年前までは、専門家であってもABAに否定的だったと聞きます。
それに比べたら、私たちはチャンスに恵まれている。なんて幸運な事でしょうか。

もしABAを始める事に躊躇しておられる方がおられたら、是非このチャンスを手にして頂きたいです。
そして、私にこのチャンスを与えて下さった、つみきの会の皆様、ノティアの皆様には、感謝を申し上げます。

これからも、よろしくお願いします。
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NPO法人つみきの会は自閉症、広汎性発達障害という障害をもった子どもたちに、ABA早期家庭集中療育(ABAホームセラピー)を施す親とそれを支援する療育関係者の集まりです。
ABA療育に関心のある方なら、どなたでも参加頂けます。

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