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つみき通信

このブログは、つみきの会の代表や、会員の親御さん、セラピスト達からの便りをお届けするものです。ぜひ時々お立ち寄りください。

ABAと「わが家の桃太郎」の成長記 (4) 入園

春が待ち遠しい季節ですね。
私、渋柿は、桜よりも少し早い時期に咲く、梅の花が好きです。
そういえば、桃太郎が幼稚園に入園して、もうすぐ一年になります。
桃太郎は「なんでもそのうち自然にできるようになる子」ではありません。
でも、「根気強く、正しい仕方で教えていけば、できるようになる子」だと、
親の私たちが思えるようになりました。

「お名前は?」と訊かれたとき、「お名前は?」とオウム返しするのではなく、正しく名前を答えられること、
「桃太郎くん」と呼ばれたら、「はーい」と手を上げてお返事できること、
ほかのお子さんが呼ばれたときには、お返事しないで黙っていること、
こういうのは、つみきプログラムでは、「社交的応答」=中級課題、ですね。
入園当時の桃太郎は、「ことばとコミュニケーション」については、やっとこのくらいの段階でした。
でも、ズボンも履けませんし、関わり遊びもしていませんでしたし、
とくに身辺自立や社会性に、初級の課題が残っていました。
そしてまだ、私たち親以外とは、目合わせがあまり出来ていませんでした。
まだ早いのかなと思いながらの入園だったわけです。

園長先生や担任の先生には、入園前から、桃太郎のことについて、包み隠すことなく伝えるようにしてきました。
自閉症の子どもさんの対応の経験が豊富な園ではありませんでしたが、
「だからこそ」学んでいこうという姿勢が見えました。
「ABAの先生のお話を伺いたい」と言っていただけたので、
セラピストのすみれ先生にお願いしました。

すみれ先生には、午前中は園での桃太郎の様子を見学してもらって、
午後から私を含めた幼稚園側との面談、という予定にしてもらいました。
午前中、
「なんだか居心地がよくて、ずっと長居してしまいました」。
あれ? もしかしたら「完全アウェイ」だったかもしれないのですが。
すみれ先生、頼りになります。
午後からの面談も、スムーズに終了しました。


母親のみかんさんも日々コツコツとABAに取り組んでいます。
幼稚園に行ったら、「朝のお支度」。
まず、なにをする? それから、どうする?
母と息子で、なんども、なんども、練習してきました。
ふだんから、おうちで「スモールステップ」です。

家で出来ることが園でもできますように。
そして、朝の小さな自信が、そのままよい一日につながりますように。

寝起きは癇癪があるので、出かけるまでに時間がかかってしまいますが、
幼稚園にはみんなが来る前に着いて、「朝のお支度」をひとつひとつ確認します。
やっと、自分でできるようになってきています。

定型の子を見てしまうとやっぱりすごいですけど、
まっすぐに、自分の子どもだけを見て、
昨日までできなかったことが、今日ABAで教えたらできるようになった、
それが素晴らしいところです。


「桃ちゃんがずっとお父さんのこと待っているよ」と、みかんさんに聞いていました。
帰宅して車を駐車しようとすると、窓から桃太郎がこちらを見ているのが見えました。
ああ、
疲れたとか言っている場合じゃない。
この家族が、自分のエネルギーになる。

ABAと「わが家の桃太郎」の成長記 (3) 出会い

つみきの会に入会すると、附属DVDを購入できますね。
私、渋柿は、このDVDが大好きで、朝早起きして何度も見ました。
なかでも、音声模倣に4か月かかったという、男の子とお母さまのセラピーの様子がお気に入りです。
「ABAは、強化で、お菓子をあげたりするのが嫌だ」という方もおられます。
私たち家族は気にせずやっていますが、ABAは嫌だなという人の気持ちも分かります。

桃太郎、3歳1か月。
はじめてわが家に来てくれたのは、
セラピストの「すみれ先生」と、SVの「かえで先生」。
桃太郎のABAセラピーは、それまでは母親の「みかんさん」が、
つみきBOOKを読み、悩みながら、頑張ってくれていました。

セラピーでは、毎回ごほうびに食べものをあげたりはしなくて、
「かえで先生」は明るく元気に、なんども、高らかな声で褒めてくれます。
子どもだけでなく、ときより母親のことも褒めて、気持ちを高めてくれています。

「ごほうびにジュースはあげてもいいけど、ストローの先をこんなふうに指で折って、いちどにあまりたくさんは飲めないようにしておきます」。
なるほど。

「すみれ先生」は、強化子に「がちゃ」や、手作りの玩具を次々に繰り出してくれます。
そして、腕ブルブルとか、こちょこちょとか、「からだ遊び」。
「すみれ先生」の子どもへの触れ方、接し方が適切でとてもやさしい。

「何回やってもできなかったのに」と、みかんさんが言ったのは、
動作模倣の「ねんね」。
あたまの向きは、みかんさんの真似をして、同じ方向に傾けてくれますが、
両手を揃えて、かたむけた頬の側に添えることはしない、
右手を右の耳に、左手を左の耳に、あててしまう。

「かえで先生」のアドバイス。
まずはべつの習得済みの動作模倣をさせて、強化。
つぎに身体プロンプトをしっかり入れて、「ねんね」を成功させて、強化。
何度もくりかえす。
「右側より、左側の方が先にできそうですね」
そう見立てたら、まずは徹底的に左から。
エラーさせないように、身体プロンプトは素早く。
「その子によって違うんですけど、桃太郎君は早めの方がいいみたいです」
そんなことは、本を読んでいても気がつきませんね。
「身体プロンプトも、だんだん、腕を添えるくらいにして、減らしていきます」
そして。
こんなに何回もやるんですか? はい、こんなに何回も、集中してやるんです。


最後まで明るい雰囲気のまま、初回同行コンサルが終わりました。
はじめは独り言ばかりで、目はあわず、壁を見たり、横を向いたりばかりでしたが、
褒められて、桃太郎が誇らしい表情になる瞬間がありました。
「目がキラキラして可愛い」と、お二人の先生には、何度も言ってもらえました。

「すみれ先生」と「かえで先生」が、お二人で我が家に訪問され、桃太郎にセラピーをいただけるということは、
私たちの指名でもなく、偶然のことなのですが、
これが願ってもない出会いであったことは、疑いもありません。
とある講演でお聞きしたことですが、最近のABAは「洗練されています」。
ただ、素晴らしい本はあるのですが、一人で読んでいるだけでは難しいです。

百聞は一見にしかず。
私たちは悩み、不安で、傷ついてもいます。
定例会だけでもいい、
一人きりになることなく、ゆるやかにでも、
信頼できる誰かと、ずっと繋がっていたほうがいいと思います。

ABAと「わが家の桃太郎」の成長記 (2)

息子が可愛くてしかたない。
父親なのに。
父親だから?
食べてもいいくらいだ。
見つめられると、幸せが、私の胸の深い部分を打つ。
この子は、私そのもの、なのだ。
そう、生まれた直後の初対面のときから、
桃太郎は渋柿とはよく目が合う。
だからこそ、
この子が自閉症だなんて夢にも思わなかった。
2歳4か月になっても、二語文が出てこなかった子だが。


「代表って、目がすごくこわかったね」
妻のみかんさんがそう言った。
はじめて参加した定例会が終わって帰りの車内、外はもう暗くなっていた。

「指示の言葉が多すぎる」なんて言われるとは、夢にも思っていなかった。

「お名前は?」に「お名前は?」と、桃太郎がおうむ返しして、
それだけで、代表のスイッチが入ったようだった。
たしかに目つきは怖かったが、理不尽な感じはしなかった。
教えがいちいち、すとんと入るような感じがあった。
そして桃太郎も、べつに怖がりもしていなかった。
代表には、子どもが怖がらない何かがあるのかもしれない。

「桃太郎くん」と呼びかけると、「はーい」と元気にお返事してくれるが、
ためしに「ぶたごろうくん」と呼びかけても、「はーい」と元気に返事をする。
そういうときには、
何もしないことを教えるのではなくて、別なことをするように教えたほうがよい。
「ぶたごろうくん」、では、
「ン」そして、手はお膝。できたら強化。

それはできそうな気がする。
代表のアドバイスには、渋柿にとって新しく、簡潔明瞭な「なるほど」がいくつもあった。


息子に腹が立って仕方ないことがある。
可愛いのに。
可愛いから?
家族3人の寝室で、
横になった私の顔の上に、両脚を思いっきりぶつけてくる。
ダメだよと言ってもやめないので、ダメだよがだんだん大声になり、
ついに怒鳴り声になり、

でも。そうじゃないはずだった、それは無駄なんだ、
消去して、正しい行動を教えるのだった、
いつもみかんさんに諭される。
妻はいつも正しいのだ。
しかし私は、どうしていつもこうなのか?
私自身がそんなふうに育てられたのかもしれない。

そして、どうしてこの子は「だめだよ」だけでやめてくれないのだろう?
こんな時は、厳しく𠮟らなくていいのだろうか?
桃太郎はこの先、大丈夫なのだろうか。

長い時間があって。ようやく渋柿は、立腹と不安に耐える方法をさがし始めた。

無視することがむずかしく思えるときは
― 他になにかをすることです。

何もしないのではなくて、別なことをするのです

むずかしい子にやさしい子育て (シンシア・ウィッタム)
罰であふれた世界から強化でいっぱいの世界へ (松井絵理子先生)

まず親の私が成長しないといけない (続く)

仙台定例会の報告

11月21日(日)に行われた仙台定例会の報告をいたします。
昨年度に引き続き、今回もWeb開催でした。
小学生から中学生のお子さんを持つご家庭から、6人が参加しました。

はじめに、日頃の困っていることを出し合う、相談タイムでした。藤坂代表だけでなくお互いがアドバイスする形ですすめられました。

トイレトレーニングや、つば吐きをなくす方法、着替えをスムーズにできるようになるには?など、日常のさまざまな悩みについて話し合い、アドバイスをもらうことができました。

このほか、思春期の性的発達にともなう悩み相談もありました。お子さんが男の子の場合、母親がどこまで対応できるのか、どこまでが見守るべきところなのか、考えさせられました。

講義では「思春期から成人期へ:わが家の体験」と題して、藤坂代表の娘さんの小学生から今に至るまでについて聞かせていただきました。
一番印象に残ったのは、普通の20代の女性なら、恋をして結婚して、子どもを産んで・・・という将来を考え人生設計をしていくわけですが、目標も夢もなく、ひたすら同じ事を繰り返す毎日の中で空しさを抱えているのではないかと考えているという話がありました。
それにより、不安定になったり、病的な言葉を繰り返すことがあるのではないかということでした。

自分の子どももそのように過ごすのだろうかと思うと、やりきれない気持ちになりました。
今は日々、興味の赴くまま、やりたいように過ごしていますが、いつか周りとの違いになんとなく気づいて悲しくなったり、単調な日々をむなしく思ったりするのかなと。親にできることは限りがあるかもしれませんが、今のうちに少しでも余暇を楽しむ術を身に付けさせたいと思いました。

次回の仙台定例会は、4月17日(日) 仙台市の日立システムズホールです。
2年ぶりの現地開催となる予定です。多くのみなさんとお会いし、交流できたらと思っていますので、よろしくお願いします。

2021.11/14.福岡定例会のご報告

福岡定例会スタッフです。

11/14(日)に福岡定例会を開催致しましたのでご報告させていただきます。

今回は新型コロナウィルスの感染状況も落ち着いておりましたので、オンラインではなく、会場での対面式での定例会を2年ぶりに開催させていただきました。

スタッフ3名含め、10組ご参加いただきました。

【個別指導】
3組のご家庭が個別指導にご参加いただきました。
まだはじめて間もないご家庭や、
上級の課題を、
それぞれのご家庭のセラピーを藤坂代表に見ていただき、課題の進め方をご指導いただきました。

【般化訓練】
2年ぶりの般化訓練で、参加者の方がほぼ般化訓練が初参加でした。
また、定例会スタッフもコロナ禍で般化訓練は久しぶりの実施となりました。
他のご家庭のセラピーの方法や課題を拝見して、とてもよい刺激になりました。
時間があれば、他のご家庭のセラピーも拝見してみたいというご意見も後日のアンケートからいただいております。
(今後の参考にさせていただきたいと思います)

【講義】
『セラピーを継続していくには』
〜親子共にモチベーション維持のコツ〜

主に親のモチベーション維持中心のお話でした。
実際に藤坂代表の娘さんとのセラピーの体験談や、
親がなぜセラピーをするのか、
何のためにセラピーをするのか、
セラピーをした将来、しない将来のこと
など、
時間を忘れるくらい、集中していて、あっという間に時間がきてしまったように思えました。 

【質疑応答】
何名かの親御さんの質疑を藤坂代表に時間の都合がつく限り、お応えいただきました。


【まとめ】
久しぶりの会場で対面式での福岡定例会でしたが、
オンラインで自宅にいながら参加する利便性も良いですが、
やはり直接、実際にお会いして、
藤坂代表やABAをされている熱心な親御さん何組かのお話を聞けてとても良い刺激となりました。

参加頂いた皆様ありがとうございました。

次回は、2/13(日)13:10〜ふくふくプラザでの開催を予定をしております。
山口・九州地方の皆様ご参加お待ちしております。

福岡定例会スタッフ 

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プロフィール

つみき通信

Author:つみき通信
NPO法人つみきの会は自閉症、広汎性発達障害という障害をもった子どもたちに、ABA早期家庭集中療育(ABAホームセラピー)を施す親とそれを支援する療育関係者の集まりです。
ABA療育に関心のある方なら、どなたでも参加頂けます。

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